なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

映画『奇跡の2000マイル』感想

数日やる気が起きず、必要最低限のことだけして休んでいた。今日はやっと回復した感じ。
少し前、『奇跡の2000マイル』を見た。実話を元にした、結構過酷なロードムービー。ネタバレあり。

『奇跡の2000マイル』 予告編
主人公のロビンは日常生活(主に人間関係?)に嫌気が差し、ラクダと愛犬を連れた砂漠横断に挑戦。旅に連れて行くラクダを貰うまでにも一悶着あり。旅に出てからも興味本位の観光客に追いかけられたり野生のラクダに襲われかけたり暴風に見舞われたりと色んな試練が訪れる。
月に1度、ロビンに助成金を出している雑誌の取材でカメラマンのリックがやって来るのだけど、ロビンにとってはややうっとうしい存在。ロビンと親しくなっていたアボリジニ(オーストラリアの先住民)の秘儀を撮影して怒られたり、ロビンと一度性的な関係を持ったからと彼氏面をして煙たがられたりする。ロビンいわく「いい人だけど迷惑」。それでも最後までロビンをサポートする。
終盤、愛犬が誤って毒を飲んでしまい、安楽死させざるをえないという悲劇もありつつ、ロビンはなんとか旅をまっとうする。エンドロールでは実際に撮影されたロビンやオーストラリアの景色の写真が流れていた。
普段見ないたぐいの作品だけど、アダム・ドライバーにつられて鑑賞。良い人だけどちょっと軽率で、邪険に扱われるリック役を好演していてよかった。ロビンと一夜を共にした翌朝、キスしようとして虫みたいにはねのけられるシーンなんかかわいかったな……。あの体格でしょんぼり背中を丸めている姿はいい。日本版のポスターではいかにも恋人役みたいになっているけど、本編のリックは結構雑に扱われていてかわいい。最後にちゃんとかまってもらえてよかったね。

『奇跡の2000マイル』アダム・ドライバー インタビュー
またロビン役のミア・ワシコウスカがよくて、自分勝手なんだけど、自分自身の感情に素直で憎めない感じだった。彼女の過去はあんまり描かれていないけど、「普通の生活や周りの人間に疲れた!一人で砂漠を旅したい!」って思っても実行できる人はそういないだろう。それでいて砂漠で「寂しい……」って吐露してリックと寝てしまうところも素直でかわいく思えた。色んなことを乗り越えて、目標を達成する姿はかっこよかった。
惜しむらくは、スマホで見たこと。ホームプロジェクターや映画館の大画面で見たらオーストラリアの自然がもっと壮大でよかっただろうなあ。