なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

NHKスペシャル「沖縄戦 全記録」感想

沖縄戦についてのドキュメンタリーを見た。8月末までは、無料で見られるみたいなので興味のある方はぜひ。

www.nhk-ondemand.jp

沖縄戦の死者数は約20万人だそう。しかも、9万人以上は軍人でなく沖縄の住民なのだから驚く。

日本側は兵力不足で、現地の男性がろくに準備もできないまま戦闘に参加させられたり、「斬り込み」(爆弾などを背負って敵に突撃すること)を命じられたりしていた。一方アメリカ軍も住民と軍人の区別がつかず、しだいに無差別な攻撃を行うようになっていく。地下壕やガマに爆弾が投げ込まれることもあったそう。沖縄戦で戦った元アメリカ兵の一人は、「パニックになって機関銃を撃ちまくった。翌朝死体を見ると、みな住民だった」と証言して泣いていた。そうした混乱のなかで、集団自決や地下壕のなかで泣く子供を家族が殺してしまうといった悲劇も起きる。こんな状況で日本軍の拠点・首里が陥落しても戦闘が継続されたのはなぜなのか疑問に思う。沖縄の元軍人や住民の証言からは、当時「どうせ皆死ぬんだから」という諦めというか、もうどうしようもないと絶望していたことがうかがえる。

沖縄戦で姉を亡くしたおばあさんが、「なぜ私達が、沖縄の人間がこんな目に遭うのか、国のした業だからどうしようもないけど、悔しい。あのとき姉と一緒に死んでいれば、こんなに一生苦しまずに済んだのに」といった話をされていて、心が痛んだ。

もう10年もしたら、戦争を経験した人から直接話を聞くことはもっと難しくなると思うと、こうした映像はとても重要な意味がある。