なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

ドラマ『愛の不時着』

ネットフリックスで、『愛の不時着』を見終えた。ネタバレあり。


『愛の不時着』予告編 - Netflix

少し前から北朝鮮に関するドキュメンタリーを見たり本を読んだりしていたので、興味深い部分をが多かった。上流階級がスイスに留学するとか、頻繁に停電するとか、身分(出身成分)による生活の違いが顕著だとか。あとは北朝鮮特有の単語が沢山出てきて、韓国語がわかる人ならより楽しめそう。

何よりキャラとストーリーが濃くて良かった。チョルガンはとんでもない悪役だったけど、他はたいてい良い人ばかりでみんな幸せになってくれと思った。主役の軍人ジョンヒョクが性格良し・家柄良し・顔良しのキャラクターで、彼を逆恨みして、陥れようと必死の(必死すぎて死ぬ)チョルガンが少し哀れだった。ジョンヒョクは、寡黙で堅物だけど恋人のためなら命をかけられる、とにかく強い、一途、実はまめ、若干嫉妬深い、実はピアニストを目指していた才能の持ち主という奇跡の人物なのでそれはそれはかっこよかった。ヒロインのユン・セリが気の強い財閥令嬢で、ヒーローに助けられるだけじゃなく、周りを助けるだけの根性と権力を持った女性だったのも良かった。ダンとスンジュンのカップルも好きだったからスンジュンが死んだのは本当に残念だった。事前にネタバレを見ていたからまだ心の準備ができたけど、それにしてもつらかった。

でも一番衝撃だったのは、ジョンヒョクの父(北朝鮮の総政治局長)が「息子を殺そうとしたお前の裁判は省く」とか言って軍事部長を平然と殺したシーン。いくら悪役相手とはいえ、主人公側の人物かつ権力者が直接手を下すのはハードだなと思った。たぶんジョンヒョクの家柄が良くなかったらジョンヒョクやセリ、その他仲間の面々はほとんど死んでいるだろうと思うと複雑。「愛のためなら死ねる」を地で行って国家規模の大問題に発展するドラマなので後半の展開はダイナミックかつ強引だった。ともあれ、主人公とその仲間たちが生きててハッピーエンドで良かった……。