なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

水島宏明編『想像力欠如社会』

色々難しいし、わからないことが多いよなと思いながら過ごしている今日この頃。この本を読んで、わからないなりにこの先も悩み考え続けようと思った。

想像力欠如社会

想像力欠如社会

水島宏明ゼミに所属する大学生が、社会的に少数派と言われるような人たちに取材をしてまとめたドキュメンタリー。取材の相手は、「路上生活のおっちゃん」、元非行少年、全盲のお母さん、過去に自分をいじめていた相手など。
編者が書いているように、他者を完全に理解することはできない。だからこそ他者を思いやる想像力が必要になるけれど、それを養うのは難しい。自分の中の偏見や差別感情をなくしていくためには、こうした生の声を一つでも多く知ることが大事だと思う。
ただ、この本を読んでも「どうすれば困難を抱えた人が社会で生活しやすくなるのか」と思いをめぐらせることなく、「自分のほうがまだマシ」と安堵する人もいるのかもしれない。そう思うと暗澹たる気分になるが、それでも私は考えたい。