なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

悲劇の連続

※映画『失われた時間 〜被偷走的那五年〜』のネタバレあります。

ネットフリックスで、ついこの間まで『片思い~秘密の恋心~』という中国のドラマを見ていた。このドラマがとても良くて、長文の感想も書いたのだけどなんとなく投稿する気にならない。好きなあまり、もっと良い感想を書きたいと思うのかな。
そんなこんなで、中国のドラマを見ていたせいかおすすめにもアジアの恋愛映画やドラマが沢山上がってきて、それをぽちぽちマイリストに入れた。その中の一つが『失われた時間 〜被偷走的那五年〜』だった。

交通事故に遭った主人公は、目を覚ますと5年分の記憶を失っていた。本人は新婚旅行以降の記憶がないのだけれど、5年の間に夫婦仲は険悪になり、夫とも離婚していた。かくかくしかじかでよりを戻すも、今度は主人公の認知症が発覚。症状はどんどん悪化し、主人公は夫のために生存率20%の手術を受ける。一命はとりとめたものの、首から下が麻痺し、人工呼吸器がないと生きられない状態に。介護中心の生活になった夫や、自分の変わり果てた姿に悩んだ主人公は、死を望む。最後は夫が妻の意思を尊重して、夜の病室で人工呼吸器を外そうとする(たぶん外した?)シーンで終わる。

個人的には、前半が良かっただけに後半の過剰と思える不幸の連鎖についていけなかった。「記憶を失ったことをきっかけに、一度破綻した人間関係を両者が見つめ直す→より戻す(またはお互い納得して新しい道を歩む)」っていうストーリーでもっとおもしろく作れたと思うんだけど……。
記憶喪失から認知症になった展開はまだいいとして、安楽死に至るまでが安易すぎるのも気になる。夫が介護で付きっきりで可哀想というのは、まだ現実的な方法で解決できそうだし、延命措置を止めるにしても夫婦だけで決めて勝手にやるのではなくて病院と相談する選択肢はないのかとか……。色々と違和感があった。せっかく色んな困難を乗り越えてよりを戻したのに、夫婦で思い詰めて精神を病んで究極の選択をしてしまったという悲劇にしか見えなかった。勝手に人が死なないラブコメだと思っていたので、ショックな作品だった。
主演の二人がとても良い演技だと思っただけに残念。