なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』感想

ネタバレあります。ほのぼのしていて良かった。


モーガン・フリーマン×ダイアン・キートン共演!映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』予告編

とある夫婦が40年住んだ部屋を売って新しい部屋を買おうとする。不動産売買のめまぐるしいお金のやりとりなどにつかれた二人は、「売るのをやめて、とりあえず今の部屋に住み続けよう」と思い直して、平穏な生活に戻るのだったという話。
ちょっと説明過多で、「そんなん言われなくてもわかるわ」というモノローグや説明台詞が多い印象。とくに最後のモーガン・フリーマンの語りとかね。
そんな小さな不満はありつつ、全体的には好きな作品。なんといっても主役のモーガン・フリーマンダイアン・キートンの夫婦が素敵だった。頑固で少しネガティブな画家の夫と前向きで少しせっかちな妻。予告の段階では「家のことをめぐって痴話喧嘩が起きて、ありがちな離婚危機に陥るのかな」と懸念していたけど、全然そんな心配のないラブラブ熟年夫婦だったのが良かった。意見が対立しても、お互いの譲れない部分やポリシーを理解して尊重し合っているのが伝わってくる二人だった。
合間に出てくる若い頃の二人の回想も良かった。ヌードモデルと、モデルを頼んだ画家として出会ったシーンも好き。「他に試したいことがある」「警察呼ぶわよ」「眼鏡を替えてみてほしい」「服じゃなくて眼鏡を外せって言ってくる人は初めてよ」みたいなやりとりが微笑ましかった。あとは、異人種間の結婚がまだ多くの州で違法だった時代に妻が「家族と彼だったらどっちを取るかは決めてる」と家族に言い切るシーンや、「不妊の原因は自分だった……」と落ち込む妻を励ます夫とか、もろもろ良かった。若い頃の妻役の人が、ちゃんと40年後にダイアン・キートンになってそうな雰囲気があっていい。やっぱりダイアン・キートンモーガン・フリーマンも素敵な俳優さんだな……とつくづく思う映画だった。