なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

蜜蜂と遠雷

映画『蜜蜂と遠雷』を見た。少しネタバレあります。


映画『蜜蜂と遠雷』予告【10月4日(金)公開】

良い映画だった~。予告編は「ピアノコンクールでの熾烈な戦い」という雰囲気だけど、思ったよりもそういうバトル要素は薄め。コンクールなのでもちろん順位はつくけれど、どちらかというと松岡茉優ちゃん演じる主人公の葛藤や成長がメイン。コンクールのステージを逃げ出したトラウマや「天才少女」のプレッシャーで音楽を楽しめなくなっていた亜夜ちゃん(松岡茉優)が、周りのライバルたちに感化されて立ち直る話。
謎の天才少年風間くんやエリートの幼馴染みマサル、働きながら「生活者の音楽」を追求する明石がそれぞれいい味。厳格な指揮者や映画の観客にわかりやすく説明してくれるコンクールの審査委員長もいて。設定自体は定番だけど、演奏シーンなど細部が丁寧に作られていて、俳優さんの演技も良かった。
とくに松岡茉優ちゃんは、20歳の内気な天才をうまく演じきっていて凄かった。幼馴染みのマサルと再会したときに一気に表情が和らぐ感じや、年上の明石に話しかけられて少しとまどう様子、最後の気迫に満ちた演奏シーン。最後に優勝したシーンじゃなくて、演奏終わりの達成感に満ちた笑顔→順位はテロップで表示される(亜夜ちゃんは2位)というのも良かった。本選まで進めなかった明石(松坂桃李)や2位の亜夜ちゃんが、これからも音楽を続けていくんだろうなとわかる。期待以上に良かったな~。