なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

区切り

友達との会話でアドバイスのようなものをしている途中に、私はとくに優れた人物でもないのに偉そうなのではと思った。そんなときに少し強くなった語気や言葉選びをどう和らげていくか、難しい。
自分が傲慢なんじゃないかと疑うのは面倒だけれど、大事だと思う。20代後半になって、同年代の有名人が活躍する姿をよく見るようになった。同世代だというだけで親近感がわき、欠点も「まあ私たちぐらいの年代ってそんな節あるよね」とそれほど抵抗感なくスルーできる。数年前までは、同世代の人が社会でひとかどの人物として認知されることはまれだった。最近、大袈裟に言えば何者でもなかった私たちがようやく「世代」を形成したような感覚がある。同世代の有名人が活躍していると、なんとなく誇らしい。でもこの「私たちの世代」って、頼もしい一方で危険な感覚だとも思う。他の世代と自分たちを区別し、排他的になりかねない。「えっ、今の10代って~~知らないの」「最近の中高生は~~なんだって、怖い」といったことを、すでに同世代の人たちは言い始めている。私も友達同士の会話で言ったことがあると思う。
私たちの世代という得体の知れない一体感が時々怖い。