なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

映画『スウィング・キッズ』感想

ド・ギョンス主演の『スウィング・キッズ』をオンライン試写会で見た。あまりにも良い映画で、作品もギョンスの演技も期待を超えてきて驚いた。Filmarksで「有名どころの賞もとれそう」と書いたけど、国内ではいくつか獲ったようで。Filmarksでのレビューとほぼ同じ内容になるけど、ブログにもどうしても感想をのせておきたくて。ネタバレあり。(3/2追記)


D O の圧巻タップダンス!『スウィング・キッズ』本予告編


監督「ギョンス(D.O.)は、この映画に出る運命だった」映画『スウィング・キッズ』メイキング映像

朝鮮戦争下、北朝鮮と中国軍の捕虜を収容した巨済島収容所。捕虜収容所内では、収容所を管理する米軍に恭順する捕虜もいれば、北朝鮮イデオロギーに忠実で、収容所で暴動を起こそうとする捕虜もいる。ロ・ギス(ド・ギョンス)は北朝鮮の思想を信じ、アメリカ軍兵士にも敵対的。しかし、ある日黒人のアメリカ兵ジャクソン(ジャレッド・グライムス)のタップダンスに魅せられ、捕虜たちのダンスチームに入ることに。収容所のプロパガンダのために作られたダンスチームでパフォーマンスすることは祖国や仲間への裏切りとも言える行為だったが、ギスはタップダンスにのめりこんでいく。

本当に、ダンスチームの面々の演技が素晴らしい。また展開も見事。前半のコメディーっぽいテンポの良い演出で引きつけて、戦争で大怪我を負い、収容所での蜂起を呼びかけるグァングクの登場あたりからシリアスに。自分が信じてきたイデオロギー北朝鮮の仲間と、ダンスチームやダンスへの愛情とでゆれて変わっていくギスの心情描写も見事。クリスマスのダンスパーティーでのつかの間の熱狂、カーネギー・ホールの幻影から戦争の残酷な現実にたちかえる。

途中のギスとヤン(パク・ヘス)のほのかな恋愛描写とか、「なんで踊らないんだよ!死ぬほどうまいくせに!」って言われて背を向けたまま満面の笑みを浮かべるギスとか、他のメンバーを退かせたまま一人で踊り出したときのギスの気迫、目力。主要な登場人物があっけなく殺されていく残虐なシーン。ギスと兄とのさりげない会話。良かった。最後ははっきり映っていないけど、ギスも殺されたということでいいんだよね。

こういう映画にギョンスが出てくれたこと自体がとてもうれしい。本当に素晴らしかった。

『スウィング・キッズ』好きすぎる後日談

komeuso.hateblo.jp

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