なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

テイラー・スウィフトとレディー・ガガのドキュメンタリー

ネットフリックスで『ミス・アメリカーナ』と『レディー・ガガ Five foot two』を見た。ネタバレ?あり。


『ミス・アメリカーナ』予告編 - Netflix


Netflixオリジナルドキュメンタリー『レディー・ガガ:Five Foot Two』9月22日より独占配信!

どちらかというと元々レディー・ガガのほうが好きだけど、ドキュメンタリーとしてより面白かったのは『ミス・アメリカーナ』のほうかな。二人とも30歳というターニングポイントを強く意識していて、「有名になり、成功した過去の自分」からどう成長していくかを考えている感じがした。両方とも「スターは売れた年齢で止まってしまうと言うけど〜」と話しているシーンがあったし。
ただ、レディー・ガガが少し年上なこともあって、彼女のほうが成熟して、30歳からの自己を確立しているように見えた。それに対してテイラー・スウィフトは、「いい子に思われたくて我慢してきたけど、もう限界!」と殻を破り始めたまさにその瞬間という印象。過渡期というか。そんなことを言うのはおこがましいけれど。だからこそ、スケールは違えどテイラー・スウィフトのほうが、自分に近い悩みを抱えていると思って見られた。テイラーは「いい子に思われたい」「周りに認められたい」という気持ちが強すぎて、人に悪く言われたときの絶望感が大きくて、精神的に追い詰められてしまう。そんな性格が災いして、過去には摂食障害を患っていたという。一年間制作活動に専念することで、彼女は自分を見つめ直す。それまで故意に避けていた政治的な発言もするように。文章で伝えるのが難しいけど、「いい子ちゃん」と叩かれていたときの、過去のテイラーの映像が一番印象に残ってる。司会者にひどい冗談を言われても、授賞式でカニエ・ウェストに「本当に受賞すべきはビヨンセだ」と言われたときでさえ、彼女はぎこちない笑みを浮かべていた。言いたいことをこらえて、なるべく穏便にその場を去りたいという顔。「ああ、アメリカ人でも、それもテイラー・スウィフトでもそんな顔をさせられる瞬間があったんだ」と思った。日本で生まれた私からすれば、レディー・ガガテイラー・スウィフトも自信に満ちた強い女性でなんでもできるように見えていたけど、そんな彼女たちに対しても抑圧はあって。押しつぶされそうな場面を乗り越えてステージに立っている姿を見てとても勇気づけられた。
あと言うまでもなくテイラーもガガもパフォーマンスが最高。