なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

怖がられるよりましか

これまで、どうもなめられやすい人生で困っていた。東京に住んでいたときは、ぶつかりかけたサラリーマンに舌打ちされるのなんてしょっちゅうだった。なぜか不機嫌なコンビニ店員の女の子が、無言でバーコードリーダーを突き出してきて怯えたこともある。でも最近は「怖がられるよりましか」という気持ちが強くなった。

正規雇用で就職してしばらく経ち、年上のパートさんから遠慮されることが増えたように思う。入ったばかりは教えてもらうことが多かったのでそこまででもなかったが、最近は「何十歳も年下の新人」というより「正規職員」として見られているのだと思う。それはもちろん、私が成長したということなのかもしれないけど……職場で話しかけにくいオーラを放っていないか、偉そうでないか心配になる。

私は長い間学生をやっていたので、非正規雇用の人の遠慮もよくわかる。多分、正確には私に怯えているわけではなく「(正規の)職員さんは今忙しいかな」という気持ちではないかと思う。よくわかるだけに、なんだか寂しい。距離を感じる。

そう考えると、立場が偉すぎたりクレーマーだったりして怖がられるより、店員さんから塩対応されるほうがましな気がする。アルバイト研修生の練習台にされがちな人生のほうが、避けられるよりずっといい。