なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

お守りにしたい本

一週間が始まった。月曜日から、金曜日気分なのはなぜだろう?早すぎる週末気分だ。

以下、『〆切本2』と、『私たちにはことばが必要だ―フェミニストは黙らない』の感想あります。と言っても、ネタバレという言葉が適切なのか微妙だ。どちらの本に出てくる出来事も、よく知っているものが多い。(『私たちには~』のほう、タイトルを間違えていたので直しました。すみません! 7/30)

『〆切本2』(2017年)は、タイトルどおり〆切に苦しむ作家や漫画家のエッセイを集めている。内容はもちろん装丁も好き。天才作家と呼ばれる作家の中でも、アイデアが湧いて止まらずいつでも書ける人はほんの一握りなんだろう。
巻末に作家や漫画家のプロフィールが付いている。普通とは違い、代表作の紹介もそこそこに〆切苦エピソードが書かれていて可笑しい。

『私たちにはことばが必要だ―フェミニストは黙らない』は、韓国のフェミニスト、イ・ミンギョン氏の本。
読むのがつらくてまだパラパラとしか読んでいない。女性が言われがちな嫌な言葉の例に、「日本の話かな?」と思うくらい見覚えがあり、怒りがぶり返すのだ。
「この国のフェミニズムはヒステリックで、本当のフェミニズムじゃない。海外は~」「何を言ってもセクハラになる」「もっと穏健に主張すればいいのに」みたいな、直接言われたことのある言葉やネットで見かけたことのある罵詈雑言。この本はそれらに面と向かって怒ってくれている。

「もしかしたら分かってくれるのでは」と水で薄めたような穏やかな言葉で話したけれど、相手ははなから聞く気がなかったと気づいたとき。それでも「いや、わかってもらえないのは私にも原因があるのでは」と責任を感じたとき。とても優しい男性が、過激派を揶揄する調子でフェミニストに言及したとき。「私の知らない黒の組織があって、営利目的でネットに書いてるのか?」と思うくらい、金太郎飴のような性差別発言が氾濫しているのを見たとき。「男はバカだから許してあげて」と言う人を見たとき。読みながら、色んなことを思い出した。
誰に対しても優しく穏やかに接していきたいけど、さすがに疲れるよ!!もううんざり!という気持ちを掬い上げてくれている。

正直、「この本の感想、ツイートするのためらわれるな」「家族から見えづらい所に置いておこう」「著者の主張に全部賛成するわけではないけど、と書いておいた方がよいかな」などと思ってしまった。近い将来、この本を読んだ人が「こんなこと当たり前じゃん。書く必要ある?」と思える社会になるといい。
私は韓国語が読めないので、日本語版が出てくれて良かった。とても意義のある本。

私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

私たちにはことばが必要だ フェミニストは黙らない

  • 作者: イ・ミンギョン,すんみ,小山内園子
  • 出版社/メーカー: タバブックス
  • 発売日: 2018/12/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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