なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

キム・スヒョン『私は私のままで生きることにした』感想

 


私は私のままで生きることにした

私は私のままで生きることにした

 

 

韓国で売れに売れているらしい本。ペク・セヒ『死にたいけどトッポッキは食べたい』を読んだらおすすめに出てきて、最近めげ気味なので買ってみた。
帯の「人と比べて何になる?」という考え方が軸になっていて、とても励まされた。頭ではわかっていてもなかなかそう思えないところを、この本にゆっくり諭してもらったような感覚だった。とくに私は嫌なことを我慢して「いい人」になりすぎて舐められることが多いし、良い意味で自分を守ることを大事にしたい。
この本で印象的だったのは、韓国が極端な格差社会、競争社会だとくり返されていること。日本もそうだろうけど、韓国でも家庭環境や学歴、資格、職業による生活の差が激しかったり、集団主義が個人にストレスを与えたりする問題があるとわかる。著者は個人の意識を変えることだけに問題を狭めずに、社会のあり方を変えていく必要性に言及している。「前向きでいればどんな状況もポジティブに受け止められる!」という精神論一辺倒の本ではないところが良かった。少しずつでも自分や社会が良い方向に進めるよう努力したいと思えた。