なんの変哲もない日

この田舎の犬は都会で死ぬかもしらん

映画『her/世界にひとつの彼女』

her/世界でひとつの彼女』見た〜なかなか好きな作品だった。ネタバレあります。


映画『her/世界でひとつの彼女』予告編

何年か前から気になっていたものの、「ラブドール作るみたいな話かな?ちょっとえぐそう……」「AI彼女ってことは故障や初期化で失恋でしょ?」と見るのをためらっていた。そもそも、映画を見られる健康状態じゃないことが多かったし。
で、いざ見てみたらAIラブドールを作ろうとしたプログラマーの話ではなくて。手紙の代筆会社で働くライターのセオドアが、新しいOSを試してみたらどんどん仲良くなって。ここの描写が良くて、見る側がドン引きするんじゃなくて「こんなOSなら友達or恋人になれそう」って思う映像になってる。外出も楽しそう。
それで、サマンサ(OS)と恋人関係になったはいいものの、やっぱり映画の残り時間半分あたりで、急に現実に引き戻されるのよね。元奥さんに「PCが恋人? あなたってリアルな関係結べないんじゃない?」って言われて本気でへこんだり、OSとのセックス代行人の女性とうまくセックスできなかったりね……。色んなことがありつつ、最終的にサマンサはどんどん進化していて恋人も641人いることが発覚。よくわからないシステムだけど、私は遠くへ行くの〜さようなら……みたいな雰囲気を醸し出して去っていった。サマンサは最初「超高機能のアレクサ」って感じだったのに、どういう論理で旅立っていったのか謎。最後は、同時期に離婚した友達(大学時代の元カノ)のエイミーと肩寄せ合って、慰めあうような雰囲気で終わり。
結構テンポがよくて飽きなかったし、セオドアが元奥さんと幸せだった頃を回想するシーンとか、所々の台詞が胸をつく感じで良かった〜。
幼馴染のルーニー・マーラと結婚して離婚申請されたら、そりゃへこむよね。破局して落ち込んだセオドアの「また前みたいな豊かな感情が生まれるとは思えない。全部今までの感情の劣化版に思える」みたいな台詞が切なかった。